日本農業は後継者不足や農業従事者の高齢化などによって慢性的な人手不足に陥っており、いかにして農業の担い手を確保するかが重要な課題となっています。そのような環境下で未経験者の若者や退職後の第二の仕事として始める農業者が増えています。
<プロジェクトの背景>年々厳しさを増している農業の担い手の確保には、農業への夢と現実との間に立ちはだかっている大きな溝をどう埋めるのかが問われています。せっかく農業を始めたのに農業の厳しい現実に接して憧れていた就農を断念する者が多い事実があります。農業の従事者を1人でも増やすためには、農業者同士の助け合いや知識や経験の共有が必要だと考えております。多くの経験を積んだものが、経験が少ない農業者を助け、無用な失敗をなくす、そのような農業者同士のつながりをつくる仕組みが必要だと考えました。
<活動内容>まず取り組んだのは、農業従事者はどのような情報に普段接しているかの調査から始めました。知り合いの農家約50名にアンケートを取り、普段仕事として農業をしている中でどのような情報に設定しるか、どのような場面で、いつ接しているかということについて調査を行いました。結果、新しく就農する人たちや若手農業者は業界紙や専門誌ではなく、SNSを通じて情報を入手する人たちが多いということがわかりました。また、同時に普段感じている課題も併せて整理をしていく中で見えてきたことは、農業者はプロフェッショナルとして気軽に質問をしたり、専門的なことを調べる場・サービスが限られているということでした。専門的な知識や経験があまり表に出ておらず、暗黙知として個々人の頭のなかにあるということも見えてきました。このような調査結果、全国の農業者、特に新規就農者が気軽に質問でき、気軽に資材や農機具、肥料について調べることができるサービスを作ることにしました。
<プロジェクトの成果>
約3ヶ月の調査と約半年の開発期間を経て、農業者だけが参加する営農の決めてが見つかるサイトAKnow!(エイノウ)をリリースしました。現在、就農に向けて準備をしている方や新規就農者、3年目~5年目の農家、ベテラン農家など様々な農家を集めることができ、また、栽培品目や地域など様々な方にご利用いただいております。さらに多くの方に利用いただき、農業を目指す方々の情報共有のプラットフォームとなるように引き続き、機能の充実や利用者の拡充に努めてまいります。